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【革の比較】 セミアニリン仕上げとナチュラル・フィニッシュ仕上げの革の比較

革の比較

スタージス・レザー・スタジオで扱っている革、

 

セミアニリン 牛革

ナチュラル・フィニッシュ 牛革

ナチュラル・フィニッシュ 羊革

フルアニリン国産鹿革

新喜皮革 タンニン鞣し 国産馬革

 

それぞれの特徴の比較です。

 

羊革は0.9ミリ厚、その他注記のない革は1.2ミリ厚で比較。

 

新品の状態で比較。

 

ご注文後にお送りする、試着サンプルセットの中に、革サンプルもありますので、実際の色味や感触などはご確認可能です。

 

補足として、革を選ぶにあたって必要と思われる内容をまとめました。

 

 

光沢

革の光沢
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艶が比較的あるのは、

 

新喜皮革馬革

セミアニリン牛革

 

です。

 

新喜皮革馬革は、はじめは光沢がありますが、表面の顔料がヤレてくると艶が減少してきます。

 

フルアニリン仕上げの国産鹿革は、はじめはマットな印象ですが、経年変化で艶が増します。

 

いずれの革も、相性の良いオイルやクリームによって、艶を出すことが可能です。

 

 

柔らかさ

革の柔らかさ

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はじめから柔らかいのは、

 

セミアニリン牛革

羊革

国産鹿革

 

です。

 

0.9ミリ厚のセミアニリン牛革は、同じ0.9ミリ厚の羊革とほぼ同じ柔らかさです。

 

どの革も、着込むごとに柔らかさが増します。

 

新喜皮革馬革も柔らかくなっていきまうsが、少し時間がかかります。

 

 

触り心地

革の触り心地

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吸い付くような「しっとり」とした感触があるのは、

 

国産鹿革

セミアニリン牛革

 

です。

 

革と相性の良いオイルやクリームなどで、少ししっとりさを加えることが可能です。

 

 

防寒性

革の防寒性

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非常に比較が難しいので、ご参考程度の留めてください。

 

理論上、

 

羊革と鹿革は、革の内部構造がスポンジのように空気を含んでいるので、比較的、保温性があります。

 

馬革や牛革は革の構造が密なため、保温性が低いです。

 

厚みが増すと保温性が高まります。

 

ただし、実用上、サイズ感(タイト、ゆったり等)で感じ方が大きく変わります。

 

どの革も共通して言えるのは、防風性が高く、風を通しませんが、寒い日は革自体が冷たくなりやすく、革自体にさほど保温性はありません。

 

どの革も、真冬は重ね着で暖かくする必要があります。

 

 

強度

革の強度

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強度が一番あるのは

 

セミアニリン牛革

ナチュラルフィニッシュ牛革

 

ですが、

 

擦れ、引っ張り、突き刺しなどに対する強度は、革の種類、鞣し方、顔料の厚みで変わります。

 

どの革も実用上の強度は確保しております。

 

ただし、フルアンリン仕上げ国産鹿革は、爪で引っ掻くと簡単に跡が付くくらい、表面は非常にデリケートです。

 

フルアニリン仕上げは、革本来の模様を最大限にいかして、経年変化を重視した仕上げになります。

 

 

重量

革の重量

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一番重量があるのは、

 

1.5ミリ厚の牛革

 

一番軽いのは、

 

羊革

 

です。

 

実際の体感は人それぞれですが、1.5ミリ厚の牛革のジャケットは手に持つと、ずっしりとした重みがあります。

 

1.2ミリ厚の牛革も、手に持つと重さを感じますが、オーダーメイドでサイズが合っている場合は、着ていて疲れてしまうことはありません。

 

他の革も同様です。

 

 

耐水性

革の耐水性

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一番耐水性があるのは、

 

ナチュラルフィニッシュ牛革

セミアニリン牛革

 

です。

 

水の染み込みやすさに伴い、革に悪影響を及ばす場合、「耐水性が低い」となります。

 

フルアニリン仕上げの国産鹿革は、表面になにもコーティングがされていない為、スポンジのように水(油も)を吸って、シミになりやすいです。

 

顔料仕上げの新喜皮革馬革は初めは耐水性が高いですが、顔料がヤレてくるとタンニン鞣しの革は水が染みやすいので、定期的にオイルで保湿しないと、革の強度が落ちてしまいます。

 

どの革も、革用の防水スプレーで耐水性を補うことが可能です。

 

 

メンテナンス性

革のメンテナンス性

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ほとんどお手入れの必要がないのは、

 

セミアニリン牛革

ナチュラルフィニッシュ牛革

羊革

 

です。

水油に強く、擦れたり、色が抜けてきたら、オイルを馴染ませればOK。難しくありません。

 

メンテナンス性とは、それぞれの革の、必要なメンテナンス(お手入れ)の頻度と難易度のことです。

 

国産鹿革はメンテナンスによる埃、水、油に対する耐性の確保をお勧めします。

 

タンニン鞣しの新喜皮革馬革は、定期的なお手入れで、ビンテージ感のある革に「育てる」ことが可能です。

 

 

経年変化

革の経年変化

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それぞれの革に合ったオイルやクリームで手入れをすることで「ビンテージ感」が進むのは、

 

タンニン鞣しの新喜皮革馬革

フルアニリン仕上げの国産鹿革

セミアニリン仕上げの牛革

 

です。

 

表現が難しいのですが、「古着感」「ビンテージ感」の言葉の雰囲気でイメージしていただければと思います。

 

新喜皮革馬革の茶芯革は、表面の顔料がヤレて茶芯が出てくると、ビンテージ好きには堪らない味わいのある見た目になります。

 

フルアニリン仕上げの国産鹿革は、表面にコーティングがないため、着込むごとに革本来の模様と色味が深まっていきます。

 

古着感もビンテージ感も、良し悪しではなくお好みです。

 

 

————————————————–

 

 

続いては、スタージス・レザー・スタジオのオリジナル牛革、

 

ナチュラル・フィニッシュ牛革

セミアニリン牛革

 

のより具体的な比較をご説明いたします。

 

 

ナチュラル・フィニッシュ仕上げとは

 

フィニッシュ仕上げとは顔料仕上げとも言われ、革専用の顔料を吹き付ける、もっともポピュラーな着色方法で仕上げられた革です。

 

革のコストを下げる方法として、革の表面を顔料で塗装したのち、革の模様がついた大きな金型でプレス処理を行い、表面の傷や模様のムラを隠すことがありますが、ナチュラル・フィニッシュ仕上げの革はプレス処理を行っていない、革の自然な模様が残る仕上げです。

 

よってナチュラル・フィニッシュ仕上げの革は、顔料を吹き付けたままの革の表面を極力残すので、表面が綺麗なAグレードの高品質な原皮でないとできません。

 

ナチュラル・フィニッシュ仕上げ

※牛革

 

セミアニリン仕上げとは

 

アニリンとは革を染める染料のことです。

 

フルアニリンの革は染料だけで着色した革のことで、表面が顔料などで塗装されていない為、革本来のシワや模様がより深く残ります。

 

よってフルアニリンの革は必然的にAグレード以上の高品質な革にのみ可能な故、非常に高級感のある仕上げになりますが、革の表面がそのまま露出しているために傷や水に弱いというデメリットがあります。

 

セミアニリンの革とはアニリンで染めた後に、透明感のある特別な顔料を表面に薄く吹き付けることで、高級感のある見た目と傷や水に対する強度を持ち合わせた革になります。

 

その美観と強度を持ち合わせた特徴から、高級車の革張りシートや高級家具などにもよく使用されます。

セミアニリン仕上げ

※牛革

 

比較

※比較する二つの革は牛革で、仕上げも同じ色、艶、厚みです。

 

STARJIS LEATHER STUDIOの商品で仕様されるナチュラル・フィニッシュ仕上げの革も、セミアニリン仕上げの革も、どちらもAグレード以上の高品質な原皮を使用しております。

 

①艶と色の深み

こちらは全く同じ撮影環境で撮影した画像の比較です。

こちらは全く同じ撮影環境で撮影した画像の比較です。

カメラの設定も、ストロボの向きや出力も全く同じですが、艶感や黒の見え方が違います。

 

ナチュラル・フィニッシュ仕上げの革は表面に吹き付けられた顔料の影響で光の反射が平坦ですが、セミアニリン仕上げの革は表面に残る革本来の様々な模様の影響で、艶に深みがあり、角度によって様々な光を反射します。

 

故にセミアニリン仕上げは非常に透明感のある艶にと共に、奥行き感のある色に仕上がります。

 

②柔らかさと触り心地

こちらは同じ範囲をそれぞれギュッと中央に寄せた画像です。

こちらは同じ範囲をそれぞれギュッと中央に寄せた画像です。

革はそれぞれ全く同じ柔らか加工を経ていますが、ナチュラル・フィニッシュ仕上げの革は表面に塗装面がある影響で、表面が若干ですがゴワゴワしています。

 

この質感は初めだけで数回着用すればすぐになくなります。

 

一方のセミアニリンは初めから非常にしなやかで、上の画像からも分かるように均等に革が中央に寄っています。

 

また触り心地もセミアニリン仕上げの革の方が吸い付き感があり、この触り心地が癖になる方が多いです。

 

画像では伝わりにくいですが、この柔らかさと触り心地の違いが一番大きいです。

 

革が大判になればなるほど、触った瞬間に違いが分かります。

 

③耐久性、経年変化

最後に耐久性と経年変化の比較です。

そもそも革の経年変化とは、革ジャンなどを着こむうちに体の動きに合わせてシワなどの癖が定着したり、肘や裾など外部と多く接触する箇所に「アタリ」と呼ばれる変化が表面に起こり、そこにメンテナンスのオイルや人の皮脂が染み込んで変色やテカりが生じることを言います。

 

そして経年変化は革の種類によって違ってきます。

 

ナチュラル・フィニッシュ仕上げの革とセミアニリン仕上げの革を、全く同じ条件で経年変化を比較するのは難しいですが、表面を段階的に研磨し、変化を比較してみます。

 

こちらは表面に変化が見られる手前まで、ヤスリで研磨した比較です。

 こちらは表面に変化が見られる手前まで、ヤスリで研磨した比較です。

ほぼ同じ研磨回数で磨きました。

 

ナチュラル・フィニッシュ仕上げの革の方が表面の顔料の量が多いので、変化が少ないです。

 

これはナチュラル・フィニッシュ仕上げの方が、初期段階の傷に強いことを示しております。

 

さらに研磨回数を増やします。

 

はじめにナチュラル・フィニッシュ仕上げの革表面の色が剥がれるまで磨き、次に同じ回数だけセミアニリン仕上げの革を磨いてみます。

同じ回数だけセミアニリン仕上げの革を磨いてみます。

この段階で変化の違いがはっきりと現れました。

 

ナチュラル・フィニッシュ仕上げの革と同じ回数だけセミアニリン仕上げの革を磨きましたが、ナチュラル・フィニッシュ仕上げの革ほど表面が剥がれておりません。

 

セミアニリン仕上げの革は粘りがあり、研磨を繰り返してもなかなか表面が剥がれません。

 

セミアニリン仕上げの革の表面が剥がれるまで研磨してみます。

セミアニリン仕上げの革の表面が剥がれるまで研磨してみます。

けっこう力を入れて研磨してやっとセミアニリン仕上げの革表面が剥がれました。

 

実際に商品を長く着用していると、上記のような表面の剥がれが部分的に起こります。

 

ここで無色のメンテナンス用のオイルを少量塗ってみます。

ここで無色のメンテナンス用のオイルを少量塗ってみます。

ナチュラル・フィニッシュ仕上げの革は、色は馴染んだものの表面が剥がれた後が目立ちます。

 

一方のセミアニリン仕上げの革は色が馴染むと同時に剥がれた跡も馴染んでおります。

 

セミアニリン仕上げの革はもともと表面の塗装が薄い為、表面が荒れてもオイルで馴染み易いのです。

 

ナチュラル・フィニッシュ仕上げの革は、表面が荒れると顔料が剥がれるため、オイルで馴染ませてもどうしても他の部分との違いが目立ってしまいます。

 

これらの違いは、セミアニリン仕上げの革の方が経年変化が綺麗に進み易いことを示しております。

 

また、耐久性に関しては、ナチュラル・フィニッシュ仕上げの革は初期の傷にこそ強いですが、中期以降の傷はセミアニリン仕上げの革の方が耐久性があります。

 

まとめ

①艶と色の深み

ナチュラル・フィニッシュ
光の反射や色味が均一。

セミアニリン
透明感のある自然な艶と奥行き感のある色。

 

②柔らかさと触り心地

ナチュラル・フィニッシュ
表面が若干ゴワつく(初めだけ)。

セミアニリン
初めからしなやかで、吸い付き感がある。

 

③耐久性、経年変化

ナチュラル・フィニッシュ
初期の傷に強いが、一度表面が剥がれると傷の進行が速い。
表面が荒れると他の部分との違いが目立つ。

セミアニリン
傷が早く現れるが進行が遅い。
表面が荒れても馴染易い。

 

 繰り返しになりますが、STARJIS LEATHER STUDIOの商品で使用されるナチュラル・フィニッシュ仕上げの革も、セミアニリン仕上げの革も、どちらもAグレード以上の高品質な原皮を使用しております。

 

一般的にはセミアニリンの方が高級でメリットがあると言えます、お好みもあります。

 

ご注文時に革のサンプルをお送りいたしますので、実際に革を見て触ってみて、ご自分の理想に近い革をお選びください。

 

※革の仕上げに厳密な基準はなく、同じ呼びでも顔料と染料の比率は様々で、同じ仕上がりの革というのはほとんどありません。こちらの内容はSTARJIS LEATHER STUDIOの基準による革の説明になります 💡 。

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